症状
- 胸の痛み。
- ずきずき、ぎゅー、息をするとずきっとする、など人により痛みの感じはさまざま。
原因
- 筋肉や骨から来る痛み(肋軟骨炎):10代の胸痛の大部分はこれ。
- 肺の病気:かぜ、肺炎、ぜんそくなど。この場合はせきや息苦しさがある。
- 消化管(胃・食道など食べ物の通り道)の病気:食道炎(食道の炎症)、胃食道逆流(胃液が食道のほうへ逆流して食道や胃の入り口が荒れる)など。胃液によるむせるような咳、食欲低下、気持ち悪さが生じることもある。
- けが:交通事故、転落事故、硬いものが勢いよく胸や背中にぶつかるなどしたとき。
- 心臓の病気:心臓の筋肉(心筋)の病気、脈の乱れを起こす病気など。ウィルスによって心臓の筋肉の炎症が起こることもある。
胸痛が心臓の病気であることはまれ
- 胸痛は中高生には多い症状です。
- もともと「からだが健康」な10代の子に起こる胸痛の原因でもっと多いのは、胸(胸壁)の筋肉や骨、軟骨から来る痛みです。
- 胸の痛み=心臓の病気?と心配になりますが、心臓の病気が隠れていることはまれです。
- ただし、このページの最後に記載した状態があてはまるときは、病院で相談してください。
治療と予防
- たまにずきっとする、息をするときに鋭い痛みがあるという場合でも、少し休んで痛みがなくなるようであれば、心配はいりません。
- 肺や消化管の病気と診断される場合には、医師から治療の提案があります。
- 何らかの心臓の病気の診断を受けている人、過去に川崎病にかかって現在も心臓の検査を受けている人は、通院や治療を継続してください。
学校心臓検診
- 日本では世界でも類をみない学校心臓検診のシステムがあり、小学校1年・中学校1年・高校1年時に行われます。
- 子どもの突然死の予防にとても重要な役割を果たしています。
- 心臓検診では、医師による診察、調査票の回答の評価、心電図検査が行われます。調査票では、既往歴(生まれつきの心臓の病気があるか、川崎病にかかったことがあるかなど)、家族歴(家族で心臓の病気の人がいるか、突然死した人がいるか)、自覚症状があるか、などがたずねられます。
- 2次検診や精密検査が勧められた場合には、必ず病院へ受診してください。
胸の痛みに加え、次の状態があるときは、病院(小児科、小児循環器科、内科、循環器科)へ行きましょう。
- 運動時の息切れがある
- 運動時に気を失う
- 胸痛、不快感、息苦しさで運動ができない
- 脈が飛ぶ、乱れる
- 食欲低下、吐き気、めまい、発熱、長引く咳、息苦しさ、体重の変化(減る・増える)、むくみ、などの症状がある。
- 過去の学校心臓検診で2次検診や精密検査を勧められたが受診していない
- 家族(両親,兄弟,祖父母,おじ,おばなど)に 40 歳以下で心臓病 または原因不明で急死した人がいる
- 大きな事故のあとに胸の痛みが長引く
参考文献
- 日本循環器学会/日本小児循環器学会合同ガイドライン.2016 年版学校心臓検診のガイドライン.
- Erickson CC, et al. Sudden Death in the Young: Information for the Primary Care Provider. Pediatrics 148(1), 2021.