肥満度の評価
肥満度をチェック
- 肥満度20%以上…軽度肥満
- 肥満度30%以上…中等度肥満
- 肥満度50%以上…高度肥満
- 肥満度-20%以下…やせ
成長曲線の活用
生徒の体重が心配な場合、ぜひ、成長曲線を使ってみてください。成長曲線は、経時的な体重の変化や身長との釣り合いを評価するためには必須です。あなたが一般教科の教諭の場合には、養護教諭に成長曲線の評価を依頼してみてください。
肥満の場合
原因
食べ過ぎ・運動不足・睡眠不足など不適切な生活習慣が原因であることが最も多いです。まれに、なんらかのからだの病気が原因で肥満が生じることもあります。
健康への影響
成人の肥満と異なり、いわゆる生活習慣病(高血圧や2型糖尿病)を合併することは少ないです。しかし、外見による自己肯定感の低さや、肥満に至る活動度の低さなどから、登校困難になったり、からかい・いじめにあったりすることがあります。また思春期の生活習慣は成人になってからも続く可能性が高く、その場合にはいずれ生活習慣病になるリスクがあります。
対応
生活習慣を変えることは誰にとっても難しいですが、思春期の子どもにとっては、ことさらに難しいことです。生活習慣改善のためには、本人の強いモチベーションが必須です。肥満がどうしてよくないのか、本人によく理解してもらい、動機付けをしていきましょう。高すぎる目標を掲げるのではなく。具体的に、本人が毎日取り組める行動はなにかを相談して決めましょう。
たとえば…
- ジュースの代わりに水を飲む
- 午後8時以降は食べない
- 食べたものを記録する(メモ、写真、アプリなど)
- 1日3回できるだけ決まった時間に食べる
肥満度が高い場合には、医療機関に相談するよう勧めてください。
やせの場合
日本では「やせているのがかわいい・かっこいい」という考えが根強く存在します。そのため標準体重でも「太っている」「もっとやせたい」と思う子ども(特に女子)は少なくありません。本人の中で「理想」と「実際の外見」のギャップが大きいと、自己肯定感にも影響します。そのため、健康なボディイメージを持てるよう、メディアや周囲の大人が支援することが必要です。
また、日常生活でのストレスを感じやすい場合や過度の不安や緊張を感じやすい場合では、食べられない、食べても吐いてしまうという症状が出ることがあります。
食べることが止められない、食べたあと自分で吐く、食べない、食事を拒否する、極端にやせたがっているといった症状が続く場合には、摂食障害の可能性があります。本人の悩みを聞くきっかけとして、食事に関する困りごとを調べるアンケート「こども版EAT26」を利用するのもよいでしょう。体重減少が大きくなりすぎる前に医療機関への受診を勧めて下さい。
食事に関する困りごとを調べるアンケート「こども版EAT26」
- こども版EAT26はこちらからダウンロードできます。
- 医師でも養護教諭でも実施できるアンケートです。
摂食障害とは?
食事に関連する行動(食べ方、食べる量など)の調子が変わった結果、からだとこころに影響がおよぶ病気を、まとめて摂食障害と呼びます。摂食障害は精神疾患のひとつです。この病気になると、脳の食べることや満腹感を司っている部分のはたらきが低下します。自分の体重や体型のとらえかたが異常になったり、性格が変わったりしてしまうことがあります。摂食障害になる原因はさまざまで特定できるものはありませんが、自分への自信がないこと(低い自己肯定感)、完璧さをもとめる性格、ストレスにうまく対応できないこと、などが複雑にからんで発症すると報告されています。
摂食障害には大きく分けて拒食症(食べたくない)と過食症(食べ過ぎてしまう)があります。このうち拒食症では、体重や体型にこだわるあまり、食事を抜く、極端にカロリー制限をする、食べた食べ物を吐く、などの症状がつづき、どんどん体重が減ってしまいます。拒食症は、死ぬ可能性もある大変危険な病気です。
摂食障害に罹患している生徒では、保護者・病院と連携を取りながら学校での活動度を決めていく必要があります。学校で体重のことを指摘しすぎると本人の情動が不安定になることもあります。学校で見守ること、保護者が見守ること、病院が見守ること、などそれぞれ役割を決めて、回復を支援していきましょう。
下記の資料が参考になります
日本小児心身医学会摂食障害ワーキンググループ.「小児摂食障害 サポートパンフ」.
参考文献
- 小児内分泌学会ウェブサイト http://jspe.umin.jp/
- 平成 29 年度~令和元年度AMED 障害者対策総合研究開発事業(精神障害分野)「摂食障害の治療支援ネットワークの指針と簡易治療プログラムの開発」.神経性やせ症(AN)初期診療の手引き
- Chiba, H., et al. Children’s Eating Attitudes Test-26; Japanese Version (ChEAT-26). 2016.
- 永光信一郎.日本語版摂食態度調査票(chEAT-26)の標準化研究について.
- 岡田あゆみ.令和4年岡山市学校保健養護教諭部会研修会資料.