通学、勉強、テスト、塾、部活、友達との付き合い、SNSのやりとり…毎日、あなたの脳とからだはたくさん働いています。
疲れをしっかりとるために睡眠はとても大切。睡眠がしっかりとれないと、脳とからだの疲れがどんどんたまっていきます。
睡眠不足は病気。そしてさまざま病気のもと!
あなたは何時間眠っていますか?授業中によく寝てしまったり、だるさがつづいたりする場合には、慢性的に睡眠が足りていない「睡眠不足症候群」という病気かもしれません。
睡眠不足がつづくとさまざまな症状が出ます。
- 日中の眠気
- だるさ、疲れ
- 集中できない、記憶力が悪くなる
- ぼーっとする、ふらふらする
- 気持ちが落ち込む、不安になる
- いらいらする
- 頭が痛い
- 食欲がなくなる
その結果、成績が落ちたり、学校へ行きたくなくなったりして、こころの病気につながることもあります。
また、長い期間にわたって睡眠不足がつづくと、血圧が高くなる、太りやすくなる、心臓の病気にかかりやすくなることがわかっています。睡眠不足によってこころやからだの病気が増えるので、睡眠不足の人が増えると社会全体の損失が大きくなります。
寝ないでがんばる、は正しいですか?
日本には睡眠を大切にしない傾向があり、寝ないで仕事や勉強をがんばる人がえらい、と思われがちです。
たとえば…
- あなたのまわりに「遊んで徹夜した」「徹夜してゲームした」「朝までテスト勉強した」などという人はいませんか?
- あなた自身が、徹夜や夜ふかしが大人っぽくてかっこいい、と思ったことはありませんか?
- コンビニやドラッグストアで「目が覚ます」「眠気をなくす」ための栄養ドリンクを見たことはありませんか?
日本には、睡眠をとらない=かっこいい、というイメージがあるようです。
それでは、こんな場合はどうでしょうか?
- あなたが乗る飛行機のパイロットが、出発する前に「昨日は忙しくてまったく寝ていません」と言ったら?
- あなたの手術を担当する医者が、手術の前に「実は昨夜は遊んでいて、徹夜しました」と言ったら?
こんな場合は、きちんと寝てなくて大丈夫かな?と不安になりますよね。実際に、睡眠不足の大人では仕事のが悪くなることが分かっています。
睡眠不足は、むしろ、はずかしいこと。悪い習慣がつく前に、しっかり寝ましょう!
あなたにとってベストな睡眠時間とは?
一般的に適切な睡眠時間
- 12歳まで:9~11時間
- 13~18歳:8~10時間
- 18歳以上:7~9時間
でも、ベストな睡眠時間は人それぞれ。同じ年齢でも、7時間でじゅうぶんと感じる人もいれば11時間眠らないと調子が出ない人もいます。上に述べた「睡眠不足の症状」が出ている場合、あなたの睡眠時間は足りていません。10代のうちにたくさん寝て、自分が必要とする睡眠時間を見つけましょう。ベストな睡眠時間を知っておくと、大人になってから体調管理がしやすくなります。
なお、大人(成人男女)を対象にした、厚生労働省の健康実態調査(令和3年度)で睡眠時間をたずねたところ約3割が6~7時間、約3割が6時間未満と答えました。日本人の睡眠時間はとても少ないです。あなたのまわりの大人の睡眠時間はどうでしょうか?
「眠れない」日はありますか?
心配ごとやショックなできごとがあった日はなかなか寝付けないかもしれません。ごくたまに眠れない日があるのはしかたないのですが、自分で気になるくらい「眠れない」と感じるのは、「睡眠障害(または不眠症)」という病気の可能性があります。「眠れない」には種類があります。
睡眠障害(不眠症)の症状
- 寝付けない
- 途中で起きてしまう
- 朝早くに目が覚めてしまう
- 起きたときに、しっかり眠れた感じがしない(できない)
睡眠障害(不眠症)の主な原因
- 生活習慣
- 体内時計の異常(夜の活動や仕事などによって昼夜のリズムが乱れる)
- こころの不調や病気(抑うつ、不安など)
- からだの病気(睡眠時無呼吸など)
デバイスは睡眠をうばう!
多くの人が、寝る前にテレビや動画、ネットニュースを観たり、メールやSNSメッセージのやりとりをしたりしています。でも、ついつい、スマートフォン、タブレット…いじってしまいますよね!気になるニュースや面白い動画を観てしまい、気づいたら朝方…ということも。
スマートフォン、タブレット、パソコンのブルーライトは体内時計をくるわせてしまい、眠りにくくしてしまいます。また寝る前にたくさんの情報が脳に入ると脳が興奮してしまい、眠れなくなります。ぐっすり寝るためにはスマートフォンやタブレットを絶対に布団に持ち込まないようにしましょう!
眠れない原因で一番多いのが、生活習慣です!多くの人がちゃんと「眠る準備をしていない」ために眠れていません。
眠れないとき、ぜひ、次の7つをこころがけてください。
- 日中は日光を浴び、明るいところで過ごす
- 1日30分は運動する
- 規則正しく食事をとる
- 寝る前には、ボリュームのある食べ物、カフェイン(※)、アルコール(酒)、ニコチン(たばこ)はとらない ※カフェインをふくむ食べ物・飲み物:日本茶、コーヒー、紅茶、エナジードリンク、コーラ、チョコレートなど
- 寝る前のルーチン(日課)を決める 例:本を読む、深呼吸してリラックスする
- 布団にはデバイス(スマートフォン、タブレットなど)を絶対に持ち込まない
- 寝室は静かで暗い環境にする
次の状態が数週間以上続くときは、大人(親や学校の先生)に相談して、病院(小児科、精神科)へ行きましょう。
大人(親や学校の先生)に相談しましょう。
- 生活習慣を改善しても、眠れなくてつらい。
- 気持ちの落ち込みや不安が強くて、眠れない。
- 夜通しスマートフォンやタブレットをやってしまい、自分でもコントロールできず、眠れない。
- 完全に昼夜逆転し、学校など日中の活動がまったくできない。
- 家庭の環境が安心できずに、眠れない。(だれかから暴力をふるわれる、暴力を見る、怖いことをされるなど)
参考文献
- National Sleep Foundation. https://www.thensf.org/
- 日本睡眠学会.睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
- Paruthi S, et al. Consensus statement of the American Academy of Sleep Medicine on the recommended amount of sleep for healthy children: Methodology and discussion. J Clin Sleep Med., 12(11), 1549-1561(2016)