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イラスト:優しい表情の女子生徒と男子生徒

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こころの悩み

他の人は気づかない物が見える・声や音が聴こえる

イラスト:耳を塞いで、不思議そうな表情をしている男性

最近、なんだか変。自分のまわりがおかしい。

あなたのまわりで、おかしなことや怖いことが増えていますか?どこからか自分のことをうわさしている声が聞こえる、自分に命令する声が聞こえる、自分が行く場所でいつも騒音がする、だれかに付きまとわれている、など感じることがありますか?世界がおかしくなっているように感じますか?

もし、このような感覚があるのであれば、あなたには「幻覚(げんかく)」があるかもしれません。

幻覚(げんかく)ってなに?

実際にないものが感じられることです。ひとの五感には

  • 視覚(見る)
  • 聴覚(聞く)
  • 触覚(ふれる、さわる)
  • 味覚(味を感じる)
  • 嗅覚(においを感じる)

があり、「幻覚」はどの感覚にも起こりえます。経験する人が多いのは、幻視(げんし、実際にないものが見える)と、幻聴(げんちょう、実際にない音や声が聞こえる)です。

「まぼろし(幻)」という漢字が使われているので「ぼんやりしたものかな?」と思うかもしれません。しかし、実際には、幻覚はとてもはっきりと見えたり、聞こえたりします。そのため、幻覚は、それを感じている本人にとっては、非常に「リアル」です。他の人に「そんなことないよ」「気のせいじゃない?」と言われても、現実に起こっているとしか思えないものです。

幻覚といっしょに「妄想(もうそう)」がある場合も。

幻覚といっしょに、妄想(もうそう)が生じることがあります。

妄想とは、明らかに間違っているのにとても強く信じていること(もの)を指します。妄想を持っている人は、その内容を「本当のこと」と信じきっており、他の人に「ちがうよ」と言われても受け入れることがむずかしいです。

たとえば、実際はそうではないのに、「学校で悪口を言われている」、「道ですれ違った人に見られている」、「あちこちからカメラで撮影されている」、「となりの家の人からねらわれている」などとあなたが強く信じているとき、それは「妄想」かもしれません。

幻覚や妄想はどうして起こるの?

さまざまなからだの病気、さまざまな精神疾患(精神病)、違法薬物・危険ドラッグの使用、不適切な処方薬の乱用、アルコール使用などが原因で起こります。そのため病院では、まず、からだの病気がかくれていないかを診察・検査をします。

精神疾患(精神病)は、「こころの病気」と呼ばれることもありますが、実際は、「脳」という臓器の病気でもあります。幻覚や妄想は、「うつ病」などの気分に影響する病気や、「不安障害」など不安が強まる病気などでも認めることがありますが、特に、統合失調症(とうごうしっちょうしょう)という病気で多く見られる症状です。

統合失調症(とうごうしっちょうしょう)ってなに?

脳の病気のひとつです。「感じる」「考える」「思う」「行動する」といった脳の働きをうまくまとめられなくなります。

  • 症状:幻覚、妄想、まとまりのない言動、(他人から見て)変わった言動、やる気がなくなる、感情がにぶくなる、などが生じます。結果として、学校にいけなくなる、人と会うのがイヤになる、集中できない、成績が下がる、人とトラブルを起こす、などが起こることがあります。
  • 頻度:100~120人に1人がかかる「よくある」病気です、
  • かかりやすい年齢:10代後半~30歳代に発症することが多いです。
  • 原因:特定されていませんが、生まれ持った体質や性質、まわりの環境、人間関係、一時的な強いストレスなど、いろいろな原因が重なって、脳のバランスがくずれるためと病気になると考えられています。
  • 治療:できるだけ早く診断を受け、薬を飲んで治療を開始することが大切です。治療は早いほど効果があるといわれています。

次の状態が数週間以上続くときは、大人(親や学校の先生)に相談して、病院(精神科)へ行きましょう。

大人(親や学校の先生)に相談しましょう。

  • 人から見られている、悪口を言われていると強く感じる 
  • 頭に勝手に考えが浮かんで、自分ではコントロールできない
  • 他の人は気付いていないようだが、人の声や音がきこえる、頭に入ってくる
  • ものごと(特に好きなこと)が楽しめない、興味がもてない
  • 食欲がない、または、食欲がありすぎる
  • いつも疲れている、やる気が出ない、気力がない
  • 一人で過ごす(だれとも会いたくない)時間が増える
  • 死にたい、消えたい、と思う
  • 自分を傷つける、または傷つけたいと思う

調子がわるいとき、次のことを試してみましょう。

  • 睡眠をしっかりとる。
  • だれとも会わない日をつくって、体を休める。
  • スマホやタブレットを使わない日を作って、目と頭を休める。
  • 散歩、ストレッチなど軽い運動をする。

参考文献

  • 日本神経精神薬理学会 / 日本臨床精神神経薬理学会.統合失調症薬物治療ガイドライン 2022.
  • 水野雅文(監修).10代から知っておきたい統合失調症.保育社.
  • Algon S, et al. Evaluation and treatment of children and adolescents with psychotic symptoms. Curr Psychiatry Rep. 2012 Apr;14(2):101-10.

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