すぐに不安になってしまう…。
通学、勉強、テスト、塾、部活、友達との付き合い…毎日、あなたのこころとからだはたくさん働いています。
いろいろなことが不安に感じてしまうのは、自分でも気づかないうちに、こころとからだがとても疲れて敏感になっているから。または、不安なりやすい「考え方のくせ」があるのかもしれません。不安の原因はなんでしょうか?
不安の種類
不安には大きくわけて3つの種類があります。
①具体的な不安
不安の対象(不安のもと)がはっきりしており、○○が不安、と自分で言えるものです。
たとえば...
- 期末試験でいい成績が取れるかな…
- 受験で志望校に合格できるかな…
- 部活の試合で勝つことができるかな…
- 友達のAちゃんととけんかしたけど仲直りできるかな…
- 新しいクラスで仲良くできる子がいるかな…
- 初めてできた恋人とうまくつきあえるかな…
もちろん、このような不安を同時に何個も感じることもあります。
不安を感じるのは、それだけあなたが頑張っているから。人の気持ちを考えているから。
目の前の「壁」、すなわち、成功するかわからないけれど乗り越えないといけないこと、の前に立つと、だれもが緊張して不安になります。以前にうまくいかなかったときのことを思い出して、余計に不安になるかもしれません。でも、その「壁」を感じられるのは、あなたのこころが成長している証です。
次のことを試してみましょう。
不安になると、その問題から目を逸らしたり、逃げたりしたくなります。不安に惑わされすぎないよう、紙やスマートフォン・タブレットのメモに次のことを考えて書き出してみましょう。
①今の自分の気持ち
②過去に同じ経験がありますか?
③今できることはなんですか?
たとえば、
①バスケ部の試合で自分がシュートを失敗して負けるかも。こわい。
②3か月前の試合で自分が3回シュートを外した。試合に負けた。
③部活のとき、集中して練習する。近くの公園でシュートの練習をする。うまくいくイメージトレーニングをする。
ひとつひとつの不安にていねいに向き合って、「今できること」を考える練習を何度も繰り返すことがポイントです!
②身の回りの人や物事に対して感じる不安
おうちや学校の身の回りのことに対して、実際はそうではないのに、不安を感じるものです。
たとえば...
- 親にきつくしかられた、親に嫌われているかもしれない。
- 友達に話しかけたらそっけなかった、嫌われたかもしれない。
- こんなに成績が悪いのは自分だけで、みんなはできているのかもしれない。
- 学校で私だけ浮いているかもしれない。
- いつか仲間外れになるかもしれない。
実際にはいじめや友達間・親子間のトラブルがないのに、このような不安があるならば、あなたのこころとからだはとても疲れていて、きずつきやすくなっています。
次のことを試してみましょう。
- まずはゆっくり休みましょう。睡眠をたっぷりとりましょう。
- 自分の好きなこと(趣味、きばらし)をする時間をとり、リラックスしましょう。
- 信頼できる大人に今の気持ちを話してみましょう。
紙やスマートフォン・タブレットのメモに次のことを考えて書き出してみましょう。
①今の自分の気持ち
②実際に起こった出来事はなんですか?
③今の自分が「友達」だったら、どう声をかけますか?
たとえば、
①きらわれているかもと不安
②AちゃんとBちゃんと3人でしゃべっていたのに、AちゃんとBちゃんだけでドラマの話で盛り上がって、話にはいれなかった。
③AちゃんとB君がたまたまそのドラマが好きだっただけで、気にすることないよ。この間は3人で部活の話で盛り上がっていたじゃない?
ひとつひとつの不安にていねいに向き合って、「自分が当事者じゃなければどう思う?」と考える練習を何度も繰り返すことがポイントです!
③あいまいで大きな不安
自分に直接関係のない社会で起こっていることや、実際に起こっていないことに対して不安を感じるものです。
たとえば...
- 病気になったらどうしよう
- 外に出たら交通事故にあうかもしれない
- お買い物に行ったら財布をだれかに盗られるかもしれない
- 日本で戦争が起こるかもしれない
- 火山が大噴火したらどうしよう
- 未知の感染症になったらどうしよう
だれでも、病気、事故、災害、犯罪、戦争などが起こる可能性に対して不安は感じます。しかし、不安や恐怖感が強すぎて、外出できない、登校できない、成績が下がる、眠れないなど日常生活が影響されている場合には、こころの調子が悪くなっているサインかもしれません。ぜひ、精神科にご相談ください。
次のことを試してみましょう。
- 朝起きて日光を浴び、夜は暗くしてしっかりと睡眠をとりましょう。
- 不安になるニュースやインターネット記事は見ないようにしましょう。
- 自分の感覚(食べ物の味や歯ごたえ、風の感触やにおい、土や植物の触り心地、空の色、タオルの肌触り、周囲の音や声、など)に意識を向け、「気持ちいいな」「いいにおい」「おいしい」など、心地よい感覚をしっかりと感じるようにしましょう。
とても強い不安に襲われたとき
常に不安がこころにあると、ふとした時にとても強い不安におそわれ、とても苦しくなることがあります。「パニック」になることも。
次のことを試してみましょう。
- 横になって(もしくはイスに座って)眼を閉じて、体から力を抜くイメージでゆっくり深呼吸する
- 好きな景色やイメージを思い浮かべ、それに気持ちを向ける(海、山、お気に入りの場所、昔の楽しかった記憶など)
次の状態が数週間以上続くときは、大人(親や学校の先生)に相談して、病院(精神科)へ行きましょう。
大人(親や学校の先生)に相談しましょう。
- 不安が強すぎて、学校(または職場)で過ごすことがつらい
- 不安が強すぎて、授業や勉強ができない、成績が下がった
- 不安が強すぎて、外に出ることができない
- 不安が強すぎて、食事や睡眠が乱れている
- 不安が強すぎて、いらいら、そわそわが続き落ち着かない
- 不安に加え、落ち込み・つらさ・悲しい気持ち・いらいら・疲れた感じが続く
- 不安が強すぎて、ものごと(特に好きなこと)が楽しめない、興味がもてない
- 自分を不安にさせる考えやイメージが繰り返しこころに浮かぶ
- 安心するために、何度も同じ行動(たとえば、ドアにかぎをかけたか確認する、部屋の整理をする、手を洗う、何かを触るなど)をしてしまい、自分で止められない
- 死にたい、消えたい、と思う
参考文献
- 認知行動療法トレーニングブック.医学書院
- DSM-5 児童・青年期診断面接ポケットマニュアル.医学書院.