年齢を問わず、疲れをしっかりとるために睡眠はとても大切。睡眠がしっかりとれないと、脳とからだの疲れがどんどんたまっていきます。
睡眠不足は病気。そしてさまざま病気のもと!
親のあなた自身は何時間眠っていますか?朝すっきり起きることができていますか?親の生活習慣は、自然にお子さんに伝わります。お子さんに良い睡眠をとってもらいたい、と思う場合には、親自身もよい睡眠をとるようこころがけましょう。
日本は、他の国と比べて、睡眠を軽視する傾向があると言われています。「睡眠時間をけずって勉強や仕事をすることがカッコイイ」と思う人が多かったり、カフェインの含まれる栄養ドリンクが働く大人を応援するような形で販売されていたりします。しかし、慢性的な睡眠不足が原因で、血圧が高くなる、太りやすくなる、心臓の病気にかかりやすくなる、精神疾患が増える、ということがわかっています。
思春期の子どもは、通学、学校、宿題や試験勉強、部活、友達とのやりとりなど、とても忙しい日々を過ごしています。つい睡眠時間を削ってしまう傾向があります。お子さんの睡眠の状態が心配なときには、まず、睡眠の状態をよく確認しましょう。
お子さんの睡眠に関するチェックポイント
- 何時に布団に入り、何時に眠りにつくか
- スマートフォンやタブレットを布団に持ち込み使っていないか
- 何時に起きるか
- 朝起きるのが楽そうか
- 昼間(授業中など)の眠気があるか
- 睡眠中にいびきがあるか、呼吸が止まることがあるか
睡眠不足症候群という病気があります
お子さんに、朝起きられない、授業中によく寝る、だるさがつづく、といった症状がある場合には、慢性的に睡眠が足りていない「睡眠不足症候群」という病気かもしれません。「朝起きられない」というのはとてもよくある悩みですが、実は、大部分の人が睡眠不足です。
睡眠不足がつづくとさまざまな症状が出ます。
- 日中の眠気
- だるさ、疲れ
- 集中できない、記憶力が悪くなる
- ぼーっとする、ふらふらする
- 気持ちが落ち込む、不安になる
- いらいらする
- 頭が痛い
- 食欲がなくなる
その結果、成績が落ちたり、学校へ行きたくなくなったりして、こころの病気につながることもあります。
ベストな睡眠時間とは?
一般的に、適切な睡眠時間は
- 12歳まで:9~12時間
- 13~18歳:8~10時間
- 18歳以上:7~9時間
です。
でも、ベストな睡眠時間は人それぞれ。同じ年齢でも、7時間でじゅうぶんと感じる人もいれば11時間眠らないと調子が出ない人もいます。上に述べた「睡眠不足の症状」が出ている場合、お子さんの睡眠時間は足りていません。たくさん寝る実験をして、ベストな睡眠時間を見つけましょう。
なお、大人(成人男女)を対象にした、厚生労働省の健康実態調査(令和3年度)で睡眠時間を尋ねたところ約3割が6~7時間、約3割が6時間未満と答えました。日本人の睡眠時間はとても少ないです。親であるあなた自身の睡眠時間はどうでしょうか?
子どもが眠れていないようで心配
お子さんは眠りたいと思っているのに、なかなか寝付けなかったり、眠りが浅かったりすることがありますか?ごくたまに眠れない日があるのはしかたないのですが、本人やお父さん・お母さんが気になるくらい「眠れない」と感じるのは、「睡眠障害(または不眠症)」という病気の可能性があります。
睡眠障害(不眠症)の症状
「眠れない」には種類があります。
- 寝付けない
- 途中で起きてしまう
- 朝早くに目が覚めてしまう
- 起きたときに、しっかり眠れた感じがしない(できない)
睡眠障害(不眠症)の主な原因
- 生活習慣
- 体内時計の異常(夜勤や夜間の活動などによって昼夜のリズムが乱れる)
- こころの不調や病気(抑うつ、不安など)
- からだの病気(睡眠時無呼吸など)
デバイスは睡眠をうばう!
多くの人が、寝る前にテレビや動画、ネットニュースを観たり、メールやSNSメッセージのやりとりをしたりしています。でも、ついつい、スマートフォン、タブレット…いじってしまいますよね!気になるニュースや面白い動画を観てしまい、気づいたら朝方…ということも。
スマートフォン、タブレット、パソコンのブルーライトは体内時計をくるわせてしまい、眠りにくくしてしまいます。また寝る前にたくさんの情報が脳に入ると脳が興奮してしまい、眠れなくなります。ぐっすり寝るためにはスマートフォンやタブレットを絶対に布団に持ち込まないようにします。大人がやっていると、当然、子どもも真似します。お子さんに「布団に持ち込まないよう」指導する前に、お父さん・お母さん自身も持ち込まないようにしましょう。
次のことを試してみましょう。
眠れない原因で一番多いのが、生活習慣です!
多くの人がちゃんと「眠る準備をしていない」ために眠れていません。
家族で次のことをこころがけ、家族みんなでよい睡眠をとりましょう。
眠るための生活習慣
- 日中は日光を浴び、明るいところで過ごす
- 1日30分は運動する
- 規則正しく食事をとる
- 寝る前には、ボリュームのある食べ物、カフェイン、アルコール(酒)、ニコチン(たばこ)はとらない ※カフェインをふくむ食べ物・飲み物:日本茶、コーヒー、紅茶、エナジードリンク、コーラ、チョコレートなど
- 寝る前のルーチン(日課)を決める 例:本を読む、深呼吸してリラックスする
- 布団にはデバイス(スマートフォン、タブレットなど)を絶対に持ち込まない
- 寝室は静かで暗い環境にする
お子さんに、次の症状が数週間以上続くときは、病院(小児科、精神科)へ行きましょう。
- 生活習慣を改善しても、眠れなくてつらい。
- 気持ちの落ち込みや不安が強くて、眠れない。
- 夜通しスマートフォンやタブレットをやってしまい、自分でもコントロールできず、眠れない。
- 完全に昼夜逆転し、学校など日中の活動がまったくできない。
参考文献
- National Sleep Foundation. https://www.thensf.org/
- 日本睡眠学会.睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン.