子どもが不安を感じているようで心配
通学、勉強、試験、塾、部活、友達との付き合い…
毎日、お子さんのこころとからだはたくさん働いています。
こころとからだがとても疲れて敏感になりすぎると、いろいろなことを不安に感じてしまいます。「心配症」「慎重」など、もともとの性格が影響することもあります。不安の程度が強くなると、日々の活動が難しくなることがあります。
不安には大きくわけて3つ
「不安」には、その原因が明らかなときと、そうでないときがあります。不安の対象が何かによって大きく3つに分けることができます。
具体的な不安
不安の対象がはっきりしており、○○が不安、と自分で言えるものです。たとえば、試験、受験、部活の試合、友達との喧嘩、クラス替え、など、だれもが多かれ少なかれ不安を感じるものです。その対象が「終わる」「済む」「解決する」ことで解消する不安であれば問題はありません。しかし、極端に強い不安が生じ、不安のせいで生活に支障が出ている場合には、対応が必要です。
身の回りの人や物事に対して感じる不安
おうちや学校の身の回りのことに対して、不安を感じることは多いです。たとえば、親に叱られた、友達にそっけなくされた、成績が良くない、部活でうまくプレーできない、などです。実際に、友人間・親子間でトラブルがあったり、成績の問題があったりする場合は、不安が生じてもふしぎではありません。根本的な問題をどう解決していくか、本人と一緒に考えていきましょう。一方、「実際には問題がない」のに、極端に親子・友達関係について強い不安を感じる、自分の成績を極端に不安がる、などが見られる場合には、対応が必要です。
ばくぜんとした不安
自分の周りではなく、社会で起こっていることや、実際に起こっていないことに対して不安を感じるものです。たとえば、戦争、感染症、病気、犯罪、事故、災害などです。だれもがこのような良くないことが起こる可能性に対して「ばくぜんとした不安」は感じるものですが、これらを極端に身近に感じ、不安や恐怖感が強すぎて、外出できない、登校できない、成績が下がる、眠れないなど生活に支障が出ている場合には対応が必要です。
お子さんが不安を訴えていたら
まず、ゆっくりとお子さんと話しをしましょう。何がどんなふうに不安なのか、怖いのかを話してもらいましょう。話をしてくれたら、「そんなこと心配しないで」「そこまで不安になるのはおかしいよ」などと否定してはいけません。「そんなに不安なんだ、つらいね」「話してくれてありがとう」「どうすれば不安が楽になると思う?」など声をかけ、お子さんの気持ちに寄り添ってください。
お子さんがあまり話してくれない、と言う時にはスクールカウンセラーや養護の先生に頼るのもよいでしょう。お子さん本人と面談する時間を調整してもらい、お子さん本人にもカウンセラーや養護の先生に話をするように勧めてみましょう。
お父さん・お母さんから見て、極端に不安が強い、理解できない理由で不安がっている、不安のために生活に支障が出ている場合は精神科を受診してください。
お子さんがとても強い不安におそわれたとき
常に不安がこころにあると、ふとした時にとても強い不安におそわれ、とても苦しくなることがあります。お子さんがそのような状態になっているときは、あわてずに、お子さんと一緒に、次のことを試してみましょう。
①横になって(もしくは椅子に座って)眼を閉じて、体から力を抜くイメージでゆっくり深呼吸する
②好きな風景やイメージを思い浮かべ、それに意識を向ける(海、山、お気に入りの場所、昔の楽しかった記憶など)
お子さんに、次の症状が数週間以上続くときは、病院(精神科)へ行きましょう。
- 不安が強すぎて、学校(または職場)で過ごすことがつらい
- 不安が強すぎて、授業や勉強ができない、成績が下がった
- 不安が強すぎて、外に出ることができない
- 不安が強すぎて、食事や睡眠が乱れている
- 不安が強すぎて、いらいら、そわそわが続き、落ち着かない
- 不安に加え、落ち込み・つらさ・悲しい気持ち・いらいら・疲れた感じが続くよう
- 不安が強すぎて、ものごと(特に好きなこと)が楽しめない、興味がもてないよう
- 安心するために何度も確認、清掃、整理などをしてしまい、自分で止められない
- 死にたい、消えたい、と言う
参考文献
- 認知行動療法トレーニングブック.医学書院
- DSM-5 児童・青年期診断面接ポケットマニュアル.医学書院.